映画「居眠り磐音」(2019年5月上映)
物語の舞台となる「両替屋の今津屋」で番頭さんがそろばんを弾いている様子が時折見かけられます。松坂桃李さん演じる磐音がカッコいい正統派時代劇です! エンドロールには「大垣そろばん資料館」と載っており、大垣先生が資料館から貸し出しされた天二地五のそろばんが映っているシーンもあります。 c2019映画「居眠り磐音」製作委員会主人公・磐音が用心棒をつとめる両替屋・今津屋が「南鐐二朱銀」の騒動に巻き込まれます。 このお金は「古南鐐二朱銀」もしくは「明和南鐐二朱銀」とよばれるものです。二種類あるされた南鐐二朱銀の古い方にあたり明和9年(1772年)から文政7年(1824年)のあいだ発行されました。 【写真左】 古南鐐二朱銀(レプリカ) : 明和9年(1772年)〜文政7年(1824年) 純度98% 【写真右】 元文丁銀 12面大黒(レプリカ) : 元文元年(1736年)〜文政元年(1818年) 純度46%
居眠り磐音「陽炎の辻」原作より
p.55 「幕府としてはなんとしても南鐐一片の重さ二匁七分五厘の純銀を金目二朱金と同価値に市場に取り扱わせることにあった。」
金1両=4分=16朱 なので 一分金=4朱です。 映画でもあるように「南鐐二朱銀」は8片で16朱と同等、つまり金1両と交換するというように幕府からお触れが出たわけです。 一匁(もんめ)は約3.75gなので、南鐐一片2匁7分5厘は、3.75×2.75=10.3125gになります。南鐐二朱銀は約10.19gとされています。少々誤差はありますが近い数字になっています。p.55「二匁七分五厘の南鐐八片は通用銀五十五匁であった。」
通用銀とは丁銀、豆板銀といった秤量貨幣のことで、一定の重さになるものを紙で包んだり、天秤で重さを測っていた貨幣です。2匁7分5厘の南鐐8片とは、2.75×8=22匁になります。つまり「南鐐22匁=通用銀55匁」であったといっています。これは南鐐二朱銀は純度が98%なので 、ほぼ100%とすると純銀の重さが22匁になります。これが通用銀の55匁にあたるというので22匁÷55匁=0.4.通用銀の純度は40%となります。当時の丁銀は純度が46%なのでおおまかに一致します。p.55「一方、金市場では一両およそ七十匁で交換されていた」
「金1両=銀70匁」で交換されていたということは、銀の価値が下がっていたことになります。当時の公定レート「金1両=銀60匁 純度40%(先ほど計算された数字)」だとしても、金一両あたりの純銀量は24匁。南鐐を純度100%としても2.75匁×8片=20匁にしかならず 当時の商人には納得がいかなかったようです。p.55「つまり、南鐐を銀相場に換算すると一両との交換は南鐐十片でなければ」
「金1両=銀70匁」という相場に当てはめると、まず通用銀70匁は、純度は先程40%と計算されたので純銀分が28匁。純度がほぼ100%の南鐐二朱銀は1片が2匁7分5厘とあるので、28匁÷2匁7分5厘=約10となり、南鐐10片となるわけです。 幕府はこれを8片で一両と交換と定めたので反発がでたんですね。
「居眠り磐音」公開!
「居眠り磐音」が公開されたので、そろばん教室の生徒と一緒に観に行ってきました。主演の松坂桃李さん演じる磐音がカッコいい!正統派の時代劇です。この映画がヒットして、京都の時代劇がますます元気になり、それを支える伝統文化に光が当たってほしいです。そのためには多くの人に映画を見てもらいたいです。
「居眠り磐音」前売りチケット
教室にポスターも貼り、生徒も公開を楽しみにしています。
「居眠り磐音」「引っ越し大名!」特報映像続々と!
日に日に映画の新情報が発表されています。「居眠り磐音」の予告映像では松坂桃李くんの後ろでそろばんを弾く両替屋奉公人の姿が? 「居眠り磐音」公式ホームページはこちら 「引っ越し大名!」公式ホームページはこちら
全国珠算教育東京資料館・青森支部に「居眠り磐音」のポスター
全国珠算連盟の東京資料館・青森支部から「居眠り磐音」のポスター写真が届きました。 京都支部から、本部(京都)、東京、そして青森、と全国から映画を応援し、そろばん自身も応援できるように輪を広げていければいいですね(^^)/
全国珠算教育連盟 本部正面玄関に「居眠り磐音」のポスター
全国珠算教育連盟が映画「居眠り磐音」を応援しています。本部の正面玄関にポスターが貼られています。そろばんのポスターより目立っています(笑)