そろばん教室の算数講座
第2回 1から順番に足したら?
今日のそろばんクラスも準備体操代わりの数の授業から始まります。
先生は先週の授業を振り返ります。
「前回は1から10まで、20まで、30まで、とたしていきました。そして、神様がきれい好きなことを知りましたね」。
生徒たちも1,2,3・・・ときれいに並んだことを思い出している様子です。
「1から50まで、60までとなると、なかなか正しく計算できないことも多いので、今日は簡単な計算をしましょう。」
「どんな計算ですか?」
生徒の一人が聞きました。
「それでは読み上げますね。簡単なので暗算でやってみましょう。」
生徒は手のひらをひろげ、その上に指を置いて、読み上げ算が始まるのを待っています。
「願いましては、1円では?」
えっ・・・
こんなの読み上げ算??? ほとんどの生徒が戸惑う中、一人が答えました。
「1円??」
「ご明算です。こんなの読み上げ算ではないですね」
先生も笑っています。
それでは次の問題です。
「願いましては、1円なり、2円では?」
全員の生徒の手が上がりました。
「3円です。」
「簡単〜」「簡単すぎ!!」生徒が言います。
先生の読み上げ算はさらに続きます。
「願いましては、1円なり、2円なり、3円では?」
さっきより多くの生徒の手が上がりました。
「6円です。」
生徒も今回の問題の規則に気づいた様子です。
続けて読み上げ算を行なったあと、先生は今までの答えをまとめました。すると、黒板に下のような計算式が書きあがりました。
1=1
1+2=3
1+2+3=6
1+2+3+4=10
1+2+3+4+5=15
1+2+3+4+5+6=21
1+2+3+4+5+6+7=28
1+2+3+4+5+6+7+8=36
1+2+3+4+5+6+7+8+9=45
先生は答えだけの部分を指さして言いました。
「ここにならんだ答えを見て、この前のように数字の神様のきれい好きがわかりますか?」
1
3
6
10
生徒の一人が答えました。
「この前は、きれいに、1、2、3、4と並んでいたけど、今回はそこまできれい好きには見えません。」
先生は答えます。
「そうですね。前回はきれいに1、2、3、4とならんでいましたね。実は今回もあることが必要です。前回、きれい好きを確かめるために、どんなことをしたか覚えていますか?」
「前は2倍しました!」
一人の生徒が答えました。
「よく覚えていましたね。今回もやってみましょう。」
2倍された数字が黒板にあらわれました。
2(1×2)
6(3×2)
12(6×2)
20(10×2)
「まだよくわかりません。」
「実は今回はもうひとつ工夫が必要なんです。」
先生は答えます。
「どんな工夫ですか?」
「それでは一つヒントを出しましょう。」
先生は数字の横に記号を書き足しました。
2=□×□
6=□×□
12=□×□
20=□×□
「それぞれの数字になる九九を探してみてください」
「2は2×1(にいちがに)かな?」「6は6×1(いんろくがろく)?」「6は2×3(にさんがろく)もあるよ」
2=2×1、 2=2×1、 2=2×1
6=6×1、 6=2×3、 6=2×3
12=6×2、12=4×3、12=3×4
20=4×5、20=4×5、20=4×5
いろいろなパターンが出てきました。
すると、一人の生徒が大きな声をあげました。
「数字の神様のきれい好きが見えました!!」
先生はその生徒の答えを黒板に書きだしました。
2=1×2
6=2×3
12=3×4
20=4×5
「よくできました。今回も1、2、3、4と順に並びましたね。数字の神様は、やっぱりきれい好きですね。この後の数、5までたした15や、6までたした21でも、同じ操作をすればもきれいに並ぶか確かめてみてくださいね!!」
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