そろばん教室の算数講座
第2回 1から順番に足したら? <先生向けの数学解説編>
前回同様、自然数の和で10までのものを考えました。
今回、先生は
そろばん教室らしく読み上げ算をつかって自然数の和を順に求めていきました。
最初の問題は
「願いましては、1円では?」
「1円」でした。
ここでは、この読み上げ算を数学的に
シグマ記号を使って表記してみることにします。
シグマを習うのは高校での数列の授業ですが、小学生が行う簡単な計算に、このような高校数学の内容を当てはめてみると逆によく理解できる場合もあります。
シグマ記号を使って1からnまでの自然数の和をあらわす書き方は、下のようになります。
この左辺は「kに1から順に、2、3、4、5・・・とnまで数字を代入していき、その答えを全部たした和をもとめる」という記号です。
そして、右辺は「このかたちになったら、nと(n+1)をかけて2でわれば、その和が求められますよ」という意味です。
とにもかくにも、やってみましょう。
今回の読み上げ算は、「1円では」という、超つくほど単純なものでした。
これは1(始めの数)から1(終わりの数)まで、結局1だけ・・・ という問題なので、狽フ下の部分は、初めの1が、k=1となってはいります。狽フ上の部分は終わりなので、これも1です。
上にのっかっている、nが1になったので、右辺のnを1に変えます。
k=1とkに1をいれたら、kは1になるだけ… なので和ももちろん、1。
ちゃんと1になるか、右辺を計算してみましょう。
ちゃんと1になりますね。当たり前だけど「なんだかすごい!」って思いません?
次の読上げ算は
「願いましては、1円なり、2円では?」
「3円」でした。
これもシグマ記号で書いてみましょう。
今度は1(始めの数)から2(終わりの数)まで。始まりは変わらないので狽フ下の部分はk=1、終わりが2なので上の部分は2になります。
上にのっかっている、nが2になったので、右辺のnは2になります。
先程と同じようにk=1とkに1をいれて、kは1。今度は2までなので、k=2も作らなければなりません。といってもkに2をいれてkは2です。「この1と2をたした和を求めなさい」というのがこの記号の意味です。
和はもちろん3なのですが、ちゃんと3になるか、右辺を計算してみましょう。
ちゃんと3になります。「上手くできてるな」って思いません?
次は
「願いましては、1円なり、2円なり、3円では?」「6円」です。同様にします。
ちゃんと6が求められます。
すると、先生が黒板に書いた式が短く記述できます。
1=1
1+2=3
1+2+3=6
・・・
1+2+3+4+5+6+7+8+9=45
シグマを使うと
・・・
最後に今回の
数字の神様のきれい好きは、2倍すればきれいに数字が並ぶという話でした。
これは
と説明できます。
「第2回 1から順番に足したら?」は
こちら